ペナント： 定義、種類、戦略方法について

ペナントとは？

価格動向を予測するために使用する継続チャートパターンです。大きな価格変動（上昇または下降）の後に現れ、一時的な調整後にトレンドが再開することを示します。

ペナントは、小さな対称三角形を形成し、調整フェーズではトレンドラインが収束します

明確な取引のタイミングを示すため、よく使われるチャートパターンです。ブレイクアウトを待つことで、誤ったシグナルのリスクを減らし、トレンドに沿った取引が可能となります。

ペナントの形成

ペナントの形成にはいくつかのステップがあり、継続チャートパターンを形成する上で重要です。

フラッグポール

ペナントの形成はフラッグポールから始まり、最初の急な価格変動を示します。

上昇トレンド時には上昇ペナント、下降トレンド時には下降ペナントを示し、フラッグポールがトレンドの方向を決定します。

抵抗線（レジスタンスライン）と支持線（サポートライン）

フラッグポールの形成後、市場は調整フェーズに入ります。価格が横ばいの動きを見せ、2つの抵抗線（レジスタンスライン）と支持線（サポートライン）が現れます：

• 抵抗線（レジスタンスライン）：調整フェーズで高値を結ぶ上部のトレンドライン
  で、売り圧力が強く、価格上昇を防ぐレベルを示　します。

• 支持線（サポートライン）：調整フェーズで安値を結ぶ下部のトレンドラインで、　
  買い圧力が強く、価格の下落を防ぐレベルを示します。

収束するトレンドラインが対称三角形を形成するのがペナントの特徴です。

ブレイクアウト

ペナントのブレイクアウトが取引を行うタイミングです。

ブレイクアウトは、価格がトレンドラインの抵抗線（レジスタンスライン）または支持線（サポートライン）を超えたときに起こり、調整フェーズが終わりトレンドが再開したことを示します。

上昇ペナントでは、ブレイクアウトが抵抗線（レジスタンスライン）を上回ると、買い手が優位になり、上昇トレンドが継続することを示します。

下降ペナントでは、ブレイクアウトが支持線（サポートライン）の下回ると、売り手が優位になり、下降トレンドが再開することを示します。

ペナントの種類

上昇ペナント（ブルペナント）と下降ペナント（ベアペナント）の2種があります。

上昇ペナント

上昇ペナントは、上昇の価格変動の後に現れ、一時的な調整の後に上昇トレンドが継続します。

上昇ペナントの特徴

1.フラッグポール: 買い意欲の高まりや市場の勢いによる価格の上昇から始ま　ります。

2.調整フェーズ: フラッグポールの後、価格は調整フェーズに入り、狭い範囲で取引　されます。価格が低い高値と高い安値を形成し、小さな対称三角形　を作ります。上部のトレンドラインは抵抗線（レジスタンスライ　　　ン）、下部のトレンドラインは支持線（サポートライン）になりま　　　　　　　す。

3.ブレイクアウト: 抵抗線（レジスタンスライン）を上抜けるブレイクアウトが確認 され、上昇トレンドが継続します。

下降ペナント

下降ペナントは、急な価格の下落後に形成され、一時的な調整の後に下落トレンドが継続します。

下降ペナントの特徴

1.フラッグポール: 売り圧力の増加または市場心理による、価格の下落から始ま　ります。

2.調整フェーズ: フラッグポールの後、価格は調整フェーズに入り、狭い範囲で取引  されます。価格が高い安値と低い高値を形成し、小さな対称三角　形を作ります。上部のトレンドラインは抵抗線（レジスタンスラ　イン）、下部のトレンドラインは支持線（サポートライン）にな　ります。

3.ブレイクアウト: 支持線（サポートライン）を下抜けるブレイクアウトが確認さ　れ、下降トレンドが継続します。

ペナントの識別方法

継続チャートパターンを形成するペナントを識別する方法は以下をご覧ください。

• フラッグポール:

  • 最初のトレンド方向を示す大きな価格変動を探します。

  • ペナントを形成する前の上昇トレンドおよび下降トレンドです。

• 調整フェーズ:

  • 価格の動きが緩やかになり、狭い範囲で取引が開始します。

  • 収束するトレンドラインで対称三角形を形成します。

• 抵抗線（レジスタンスライン）:

  • ペナント形成中に高値を結び、上昇トレンドを確認します。

  • 抵抗線（レジスタンスライン）を形成しさらなる価格の上昇を防ぎます。

• 支持線（サポートライン）:

  • ペナント形成中に安値を結び、下降トレンドを確認します。

  • 支持線（サポートライン）を形成しさらなる価格下落を防ぎます。

• ブレイクアウトポイント:

  • 価格が抵抗線（レジスタンスライン）または支持線（サポートライン）を超え、次のトレンドが開始します。

  • 調整フェーズの終わりと、前のトレンドの継続を示します。

• 対称三角形の形状:

  • 調整フェーズがトレンドラインを収束させる小さな対称三角形を形成していることを確認します。

  • ペナントをフラッグや複数の継続パターンと識別します。

ペナント vs 対称三角形

対称三角形とペナントは異なる形状をしています。

対称三角形は、継続パターンおよび反転パターンとして長期間にわたって形成されます。

ペナントは、急な価格変動と調整フェーズの後に現れる、継続パターンです。

ペナント vs フラッグ

ペナントとフラッグはどちらも継続パターンですが、異なる形状をしています。

フラッグは、トレンドラインが平行になり、トレンドに逆行する長方形が形成されます。

ペナントは、トレンドラインが収束し、小さな対称三角形を形成します。

ペナントの取引戦略

以下は、ペナントを取引するための戦略です：

• ブレイクアウト戦略: 価格がペナントをブレイクアウトした時に取引を開始します。　　　　　　　　　
  上昇ペナントの場合、価格が上部のトレンドラインを上抜けた　　　　　　　　　
  ら買いを行い、下降ペナントの場合、価格が下部のトレンドラ　　　　　　　　　
  インを下抜けたら売りを行います。

• 取引量の確認: 取引量が増加しているブレイクアウトは、信頼性が高いことを示します。

• リスク管理: 損失を最小限に抑えるために、ペナントの逆のトレンドラインを超えた 位置にストップロスを設定します。利益確定の設定は、フラッグポール　の高さに基づいて計算します。

• 指標の組み合わせ: 移動平均線や相対力指数（RSI）など複数のテクニカル指標をペ　ナントと組み合わせ戦略を強化します。

まとめ

ペナントは、トレンドの継続を予測する効果的な取引方法です。大きな価格変動の後、収束するトレンドライン内で一時的な調整が続き、小さな対称三角形を形成します。

ペナントの形成、種類、取引戦略を理解することで、取引のパフォーマンスを向上させ、情報に基づいた取引が可能になります。